普段の暮らしの中で、思わぬことで法律違反になるというものがある。
例えば釣り銭詐欺である。釣り銭が多いのを知りながらそのまま黙って財布に
入れてそのままにした場合である。これは刑法246条第2項の「財産上不法の
利益を得た者」にあたり詐欺罪に処せられるおそれがある。
また家族に届いた手紙を開封するのは刑法133条信書開封罪にあたる。
しかし、信書開封罪は親告罪なので告訴が必要。家族間で告訴をすることは
あまりないのでこの罪に問われることはめったにない。
先日、新聞でマナー違反と思えるのが法律違反になると掲載されていた。
指定日以外の日にゴミを出すのは廃棄物処理法16条の「何人も、みだりに
廃棄物を捨ててはならない」にあたる。指定日前夜にゴミを出しているのを
見かけることがあるが、町内会のルール違反にとどまらないのだ。
道路や駅など公共の場所で、公衆の列に割り込み、もしくはその列を乱した場合は
軽犯罪法1条13号の行列割り込みの罪に問われることもあるという。
タクシーを待つ行列、演劇のチケットを買う行列、電車の切符を買う行列や
入場を待つ行列に割り込むのも同罪だ。
会社の不祥事でコンプライアンス(法令順守)が厳しく問われるようになって
きたが、私たち個人にもマナーやコンプライアンスが問われている。