家族がテルテル坊主になる!

昨日は肺がん患者の会に夫と招かれた。
術後2年から5年の人が多いので、
夫が入院していた当時を思い出した。

同じ肺がんの人の集まりなので、治療法や薬など
情報交換が盛んだった。
奥さんが肺がんでご主人さんが仕事のストレスと重なり、
ふさぎこんでいるという話があった。

家族はその時のおかれた状況で心理的にパニックになる。
家族は仕事など外で発散できる場があれば何とか乗り切れる
のではと思っていた私は仕事があってもストレス解消できない
こともあることを考えさせられた。

医学の進歩でがんは怖い病気でなくなったといわれるが、
昨日の会で術後間もない人達と話してみると患者や家族の
心理的負担は以前とはあまり変わっていないと思った。

また、「新薬オプジーボが効かないと言われた」という人もいて
このような時は気軽に話せるがん患者や家族の集まる会は
必要だとあらためて思った。

家族も当事者だとつくづく思う。
家族から元気になろう。
家族がテルテル坊主になればきっと晴れる日がくる!

 

 

 

 

 

 

がん代替医療

新聞記事に代替医療を選んだがん患者が5年以内に死亡するリスクは標準治療を
選んだ患者の2.5倍になるとアメリカのエール大学の研究チームが発表とあった。

ここでいう代替医療の種類は不明だがハーブやビタミン、鉱物投与などが考えられる。
これに対して手術や抗がん剤、放射線治療は標準治療と言われている。

標準治療はどれも痛みや副作用があり、つらい治療だ。誰もが楽な方を選びたい。
ただ、代替医療が本当に効果があるか調べてみる必要がある。
またネット情報だけで鵜吞みにするのは危険だ。

自由診療として免疫細胞療法、遺伝子治療、高濃度ビタミンC療法、水素温熱療法
など多くある。しかし、これらは科学的根拠がないし、医療機関によって
治療もバラツキがあるという。つい最近では臍帯血治療が自由診療として、
高額な治療費で行われていた。

標準治療と言われると言葉だけで「並みの治療」と思い
「もっと良い治療があるのではないか」と誤解する人が多いと聞く。
標準治療は[standard  therapy ]を訳したもので、standardは
「最善」の意味があるという。

代替医療や自由診療の効果はネットで調べてもわからない。
科学的根拠や効果基準を知りたい。
患者にとっては後戻りできない選択なのだ。

 

金木犀の香

爽やかな秋になる

ネット上のがん情報の半分は嘘!

「肺がん」と検索したら正しい内容は半分以下と新聞の記事にあった。
がんと宣告されたら、がん患者や家族はネットで情報を得て、治療方針を
決めることが多い。この大事な決定が嘘を基礎にしていたらと思うと残念だ。

オプジーボやキイトルーダなどの新薬や分子標的治療やゲノム治療など
ここ数年のがん治療の進歩が著しく、医学知識のない一般の人が
がん情報が正しいかどうか判断できない。

数年前のことだが、雑誌などによく出る料理家のA先生が玄米を美味しく食べて
長続きするには、炊き込みご飯にすると良いと記事を書いていた。
玄米を圧力鍋に入れ、シューと音がしたら、蓋をとり人参、椎茸などの
具材をポンと入れて蓋をして炊くとあった。

私は驚いた。圧力鍋は火にかけて圧力がかかったら、シューと湯気が勢いよくあがる。
ここで蓋をとるなら鍋の中の圧力を下げなければならない。圧力を下げずに蓋をとったら、
大やけどする。圧力を下げるのに15分位待たなければならない。

また火にかけて圧力がかかるのに5分はかかる。合計20分火を止めることになる。
玄米炊くのに途中で20分も火を止めたら一気に炊けず玄米はふっくらと炊けない。
A先生は圧力鍋を使ったことがあるのだろうかと疑った。雑誌編集者も本の知識だけで
実際圧力鍋を知らないからチエックもできないのでは。このような間違いはたくさんある。

自然療法の本は何冊も買ってあるが、実践しない人がいる。
これでは嘘か本当か見分けがつかない。
がん家族「そよごの会」のメンバーは食べ物、枇杷の葉温灸など実践している人が多い。
皆で話していると一人では気が付かないことがあり参考になる。がん情報も共有できる。
ストレス発散だけでないメリットがたくさんある。

 

 

 

 

 

長雨でも清々しく咲く

がんと告白されたら

フアッション雑誌に「がんと告白されたら」という記事があった。
2人に1人が「がん」になる時代。こういう場面に出会う人が多くなり、
何て答えたら良いのか戸惑う人のために特集が組まれたのだろう。

「頑張ってね」「きっと治るわよ」はNG。
ひたすら相手の話をよく聞くのがベストだという。
これはカウンセリングの基本でもある。話すことで
頭の中が整理され、話した人は心が落ち着くようだ。

昨日、がん家族の会「そよごの会」で、夫が生きるはずがないという
がんに出会ってから、家族としてどんなことをしたかを話した。

「同じ生活をしたらまたがんになる」
そう思って生活をガラリと変えたことを話した。
食事も運動も実際に体験して自分に合うものを基本に
やっていき、それを続ければ自信にもなる。

体験を通して食べ物などは直感で自分にいいのかどうか判断がつく。
理屈をやめて直感で生きることを大切にした。
中でも砂浴に質問が集中した。

寝転がった上から砂をかけるのでなく、砂浜を掘って仰向けに寝て
砂をかけるもの。砂の圧力が半端ない。上からだけでなく横や下からも
体全体に砂が吸い付いて程よく締め付ける。海と空と波の音だけの世界が広がる。

4~5時間も入って砂から出ると、体も気持ちもすごく軽くなっている。
砂が体の毒素を出してくれるのか、夫が入っていた砂から臭気がある。
体の中に残った抗がん剤が消えていくような気もする。
当時はひと夏に20回位したものだ。

今年は真っ青な海と空が見たくなった。

 

 

がん免疫薬キイトルーダ

がん細胞が免疫の働きを邪魔するのを防ぐ薬である。アメリカで開発された。
日本で開発されたがん免疫薬オプジーボは体重60㎏の人で1年間1750万円に
対して、キイトルーダは体重に関係なく1年間1400万円である。
キイトルーダは皮膚がんと肺がんに効く。

何と言っても1番の違いはオプジーボが抗がん剤を投与した後でないと効果がない
のに対して、キイトルーダは抗がん剤を投与していなくても使えること。
抗がん剤を投与すると副作用が出て、体が大きなダメージを受ける。
この大きなダメージ受ける前にキイトルーダは使うことができるのが
最大のメリットだ。これなら患者の体への負担が極めて少ない。

患者にとって朗報であることには間違いないが、価格が高すぎる。
もう少し庶民の手が届く価格であって欲しい。新聞によれば
世界で新たながん免疫薬の治験が1000件以上進んでいる。
画期的な新薬を大いに期待したい。

転換期にあるがん治療

最近、オプジーボが話題になっている。がん家族の会「そよごの会」の集まりでも
話題にのぼる。今までの抗がん剤は増殖する細胞を正常な細胞とがん細胞の区別なく
攻撃する。

これに対してオプジーボは免疫細胞にだけ働きかけるもので、患者の負担が少ない。
がん細胞は免疫細胞のRD-1にくっつく。免疫細胞はRD-1が使えないと攻撃ができない。
オプジーボはがん細胞がRD-1にくっつくのを防ぐので、免疫細胞はじゃまされること
なくがん細胞を攻撃できるのである。

プレシジョン・メディシンを紹介するテレビ番組があった。
従来は臓器別に抗がん剤が使われてきた。これだと使ってみないと効果がわからない。
効果がないのに副作用はでる。患者の負担は大きい。
これに対してプレシジョン・メディシンはがん細胞を取り出して、がん細胞の
異常タンパク質をつきとめる。この異常タンパク質に対して分子標的薬(タイプの
異なる異常タンパク質を抑えるもの)を投与するのである。

肺がんの人の異常タンパク質が甲状腺がんと同じなら甲状腺がんの薬を投与する。
治療の有効性が予測しやすいし、副作用が少ない。
欠点としては検査で遺伝子異常の特定ができない場合がある。まだ有効な薬が
開発されていないこともある。

前述のオプジーボも欠点がある。1年間3500万円が半額になるといっても1750万円で
それでも高額である。副作用として糖尿病や「重症筋無力症」などがあるし、
オプジーボが効かないがんもある。

両者とも発想が従来と異なる。今までの考え方にとらわれることなく正面から
向き合う必要がある。ただ、患者と家族は免疫力を高めるために、食べ物、運動、
ストレス解消など自分なりにやってきたことはこれからも大切にしたい。
「笑いは最高の抗がん剤」も有効である。

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2度の介護離職

遠距離介護、ダブル介護、介護難民といった言葉が新聞やテレビで話題になっています。
それだけ介護は家族の献身的世話が何年も続く大変なもの。
今回はがん家族の会「そよごの会」のメンバーで介護のため離職した経験をもつ奈津子
さん(仮名)のお話。ブログ掲載に際して「皆さんのお役に立つなら」と奈津子さんの
承諾をいただいています。

奈津子さんはお母様に肺がんが見つかり、介護のため退職。お父様は高齢であり病院の
付き添いは難しいと判断したそうです。手術後、お母様の容態が安定したのをきっかけに
就職したそうです。

すると今度は、お父様に肺がんが見つかりました。その後、東日本大震災が発生。
奈津子さんの勤めていた会社は外国会社でした。震災当初の情報混乱から、
外国からの判断では、原発事故で東日本はダメと認識されていたそうです。
東京本社を大阪へ移転する話も出て、2か月も商品が本社から入荷されず、
売り上げも大幅にに減少。奈津子さんはやむなく契約終了となってしまいました。

お父様の病状が落ち着いたので、ご両親の介護のかたわら奈津子さんは再び就職活動を
始めます。奈津子さんは最初の退職から8年経ち、30代半ばになっています。
なかなか就職先は見つかりません。そんな時、東京都の「東京仕事センター」で
仕事のカウンセリングを受けたそうです。

そこのスタッフは親身に相談に乗ってくれて、やりたい事や好きな事を丁寧に
聞いてくれたそうです。そして好きな事に携われる仕事を探してくれました。
奈津子さんは好きな仕事が見つかり今では毎日が楽しそうです。
お母様も笑顔が戻りました。お母様は奈津子さんに事あるごとに
「私は特養に入るから仕事は辞めないで」と言うそうです。
この言葉は寂しいけど、現実を鋭く表現していて心に残ります。

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ハワイのフルマラソンに参加!

そよごの会のメンバーは皆さん元気いっぱい!今回は、メンバーの中でがんのご主人と夫婦揃ってホノルルマラソンに参加しているAさんの紹介です。ブログ掲載について、Aさんには「現在がんと闘っている一人でも多くの方に、ステージⅣでも諦めないことが大切というメッセージが伝われば]と快く承諾をいただいております。

Aさんのご主人に進行性胃がんが見つかったのは今から11年前。根治手術を目指して抗がん剤を投与するも鎖骨リンパ転移が判明。ステージⅣでした。Aさんは手術を諦めきれず第2、第3の意見を求めて、気がついたら医師6人の意見を聞いたとのこと。

手術後もリンパ節転移を繰り返しましたが、希望を託した未承認薬(現在は承認済み)が劇的な効果をもたらし奇跡的に元気になりました。当時、未承認薬投与を開始したばかりで腫瘍マーカーが高い中「元気になってほしい。がんになる前に還暦祝いで参加したホノルルマラソンの感激をもう一度味わってほしい。」Aさんの思いで10キロのウオークに参加したそうです。

腫瘍マーカーが基準値内を推移した翌年からホノルルマラソン42.195キロを約8~9時間かけて完走したそうです。「ゴールの時の輝いている姿は今でも忘れられません!」というAさんの瞳も輝いていました。そしてご夫婦はホノルルマラソンに参加することを目標に励み今年10回目の挑戦になります。もうエントリーも済ませたそうです。

新薬は高く遣り繰りが大変だったとAさんは当時を振り返り笑顔でお話します。Aさんは70代。仕事もしています。「なんとしてでも・・・」Aさんが手術してくれる病院を探し回ったお話の中で何度も出てきた言葉です。この気持ちが奇跡を起こしたと思います。フルマラソン参加は今ではご夫婦の人生の目標になっています。

マラソン

がん家族の会「そよごの会」を主宰しています

そよご木2

                                  そよご花 P1000425

「そよご」とは木の名前。常緑樹で虫もつかず元気に育ちます。春に白い花をつけ、冬に赤い実。鳥が喜んで食べに来ます。「そよごの会」も小さいながらも社会の役に立ちたいとの思いで立ち上げました。

「そよごの会」はがんを生きる家族だけの会です。がんは再発の不安があり本人も家族も思い切った行動がとれないことがあります。私も食事に手を抜いたらいけないとか本人を疲れさせたらいけないと思って家にこもりがちでした。

本人にはなるべく病気のことを考えないよう気を遣います。親、兄弟姉妹、友人にはかえって心配かけるからと病気以外の話をし、いろいろな患者の会に参加しても、もっぱら聞くだけで満たされた気持ちになれませんでした。家族にしかわからないつらさや苦しさがあります。

病気について思い切りしゃべりたいと思ったことがあり、家族同士で気兼ねなく話せる場所が必要だと思いました。

参加者が日ごろ言い出しにくい事をしゃべれて、ストレスを発散し、笑顔になれば、本人も笑顔になるはずです。「家族から元気に」をモットーにしてます。

連絡先 「そよごの会」

E-mail:soyogonokai15@outlook.jp