相続が開始し、数人の相続人が法律通りでない相続分をもらうことになった場合を
考えてみよう。
この場合は、相続人全員で相続財産分割協議をしてその旨を書面に記載して
署名押印する。そして、遺産分割協議が真正に作成されたことを証明するため、
実印を押印し、さらに印鑑証明書も添付する必要がある。
ところが、遺言があれば法定相続分の多少にかかわらず相続人の承認も
印鑑証明書も不要である。それは、法定相続より遺言が優位であるからである。
遺言は作成する段階でハードルが高く感じるかもしれないが、相続が開始したら
土地・建物や銀行預金の名義書き換えなどがスムーズに行える。
「遺言は法律よりも強い」。こんなに最強のものをもっと利用してほしい。
「遺言」は「遺書」とは違う。遺書は「死」がつきまとうが、遺言は相続人の負担を
減らし、もめ事が起きないようにする最も有効なリスク回避策でもある。
むしろ身体も心も元気なときに書いた方が的確な判断で作成できる利点がある。
遺言は自身の人生の集大成でもある。遺言書セミナーで「遺言を書く講座」のときは
皆さん楽しそうだった。「わかった。そのうちに」でなく「そうだ、今書こう!」
の気持ちで先送りしないことである。
実際、遺言書を書いてみると「思ったより簡単」の声が多かった。
当事務所では毎月第2火曜日に無料法律相談会を開催している。
最近、「遺言の書き方を教えてください」という人が多くなった。